午前6時すぎの空港は、
もうすっかり目覚めていて、
すでに1日の途中のようだった。
大勢のツーリストの声が響いて賑わっている。
窓の向こうに見えるはずの
飛行機や滑走路はまだ闇の中で、
ガラスに映る白すぎる灯りが、
空港をいっそう広く見せている。
息子は1週間の滞在を終えて、
再びロンドンへ。
短かったとも、
長かったとも、
思えないような感覚。
滞在中の彼は、
いろいろな用事で忙しかった。
会いたい人、行きたいところ、食べたいもの…
生活拠点はロンドンにしたいらしい。
これからはこんな感じに…
1年に1回くらい日本に帰ってきて、
短い滞在のあいだに、
用事を済ませ、
また飛び立つ。
そんなふうになるのだろう。
1年に1回帰ってくるなら、
まだ良いのかもしれない。
そう自分に言い聞かせてみるけれど、
その言葉はまだどこかを彷徨っている。
彼の姿がゲートの向こう側へ行き、
人に紛れて消えていった。
夜のわりと早い時間に森の家へ。
空は、夕焼けの色を残したまま、
あっさりと暗くなっていった。
空の端に細い月が浮かんでいた。
頼りなく折れそうな三日月だった。
