夜はよく眠れなかった。
ハンバーグのニオイが気になって。
昨晩は夕食にハンバーグを焼いた。
薪ストーブを焚いていて換気扇が使えず、
ハンバーグを焼いた、そのニオイが部屋に充満した。
焼いている時は食欲をそそったニオイも、
食べ終わってしまうと、
ただの重たい空気に変わった。
家中の窓を全開にしたいところだったが、
外は寒い。
さすがに今開けるのは躊躇った。
明日の朝まで待つしかなかった。
寝室のドアはいつも開けたままにしていて、
昨晩も変わらず開いていたので
ニオイはしっかり侵入していた。
寝る時に「しまった!」と思ったけれど、
しまっていて欲しかったのはドアである。
ハンバーグの香りのフレグランス『L’arôme des hamburgers』の中で眠りについた。
ところが脳の片隅で、
ずっとハンバーグのニオイを感じている。
夢のどこかでハンバーグを感じている。
眠っているのかいないのか、
半分寝ていて、半分起きているような、
そうやって時間ばかりが過ぎて朝を迎えた。
外が明るくなってきた頃、
リビングと寝室の窓を開けて、
朝の新鮮な空気を部屋に吹き込んだ。
空気はまだ冷たかったけれど、
ハンバーグのニオイはやっとどこかへ消えていった。
朝のコーヒーが美味しくなった。
L’arôme des hamburgers

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