ホーム Days Here 日々の暮らし 紫外線吸収剤なし♪日焼け止めクリームのつくり方

紫外線吸収剤なし♪日焼け止めクリームのつくり方

夏が近づくと、森の緑はいっそう濃くなって、木漏れ日もまぶしくなってきます。
日傘や帽子で和らげても、肌に触れる日差しはやっぱり気になるもの。自分で安心できる材料からつくってみました。

一度覚えてしまえば、オイルや精油を変えて、その年の気分でアレンジも自在。「今年のわたしの一本」を、台所でことことつくる。そんな夏のはじまりの手仕事です。

市販のクリームとは違って、塗った後に白くなりやすいです。少量をこまめに塗るのと良いと思います。


【材料と器具】
材料(できあがり約30g分)

・蜜蝋(みつろう) 3g
白でも黄色でも。今回は仕上がりが白くなる白を使用

・カレンデュラオイル 20ml
ほかの植物オイルでも代用可

・精製水 5ml
ハーブウォーター・芳香蒸留水でも代用可

・植物性プロパンジオール 約1ml
トウモロコシ由来の天然保湿・防腐成分

・ブレンド精油 計6滴
下記参照。無香にするなら省略可

・酸化チタン 2g(※1.6gでも可)
UVBを反射

・酸化亜鉛 2g(※1.6gでも可)
UVA・UVBを反射

ブレンド精油の内訳(全量の約1%)
ゼラニウム(エジプト)3滴/レモンバーム1滴/ラベンダー・アングスティフォリア1滴/フランキンセンス1滴。
夏向けに、虫よけを兼ねた香りにしています。苦手な方は、手持ちのラベンダーやミント、レモングラスなどに置き換えてもOKです。

【器具】
・耐熱ビーカーまたは耐熱ガラス容器(2つ/50mlと200     m l大きめが混ぜやすい)
・マドラー(コーヒー用やガラス棒など)
・小さいホイッパー
・クリーム容器
・消毒用アルコール(器具の消毒に使用)

粉ものを扱うときに白い粉が散りやすいので、
トレーやコピー用紙を敷いて作業すると後片付けがラクで
す。

材料や器具などはこちらから購入できます。
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SPFとPAの違い

市販の日焼け止めを選ぶときの目印になる「SPF」と「PA」。何を表しているのか、まず整理します。

紫外線にはUVA・UVB・UVCがあり、UVCはオゾン層で吸収されて地表には届きません。つまり、私たちが防ぎたいのはUVAとUVBの2つです。

  • SPF=UVBを防ぐ指標(数字で表示)

UVBは波長が短く肌の奥までは届きませんが、作用が強いのが特徴。海や山など長時間のレジャーでの、炎症をともなうひどい日焼け(水ぶくれなど)やシミ・しわの原因になります。

  • PA=UVAを防ぐ指標(+の数で表示)

UVAは波長が長く、肌の奥の真皮層まで届きます。シミ・しわ・たるみの原因になり、日常的に防ぎたいのはこちら。

覚え方のコツ:「PA=UVA」とセットで覚えると、残ったSPFは自然とUVBだと思い出せます。

酸化亜鉛と酸化チタンの違い

手作り日焼け止めの主役になる、2つの白い粉。どちらも紫外線を反射させる「物理的フィルター(紫外線散乱剤)」で、肌の表面にとどまるだけなので、石鹸や普段のメイク落としで落とせるのが安心なところです。

  • 酸化亜鉛:UVA・UVB(特にUVA)を反射。軽くて量が多くなりがちで、やや白浮きしやすい。
  • 酸化チタン:主にUVBを反射。酸化亜鉛より白浮きしにくい。

両方を組み合わせると、UVA・UVBをバランスよくカバーでき、しかも白浮きがやわらぐのがうれしいポイント。白くなるのが気になる方は、酸化チタンだけで作るのもありです。

ちなみに、市販品によく使われる「紫外線吸収剤」は、紫外線を熱などに変えて放出する化学的フィルター。落ちにくい反面、個人では入手できないため、手作りでは使いません。

選ぶときのポイント:粒子が大きめで、ルチル型・コーティングありのものが肌への刺激が少なくおすすめ。超微粒子は白浮きしにくい一方で安全性に議論があるため、好みで判断を。なお、酸化亜鉛はコーティング品が一般に手に入りにくいのが現状です。

SPFの目安】
酸化チタン・酸化亜鉛をそれぞれ8%入れるとSPF11程度。両方入れても合算で22にはならず、平均でおよそSPF15になります。今回はこのSPF15を目指したレシピです。白浮きを抑えたいときは各1.6gまで減らしてもOK。

作り方の手順と注意点

クリームは油分と水分を乳化させて作るので、まとまった時間が取れるときにどうぞ。15分ほどあれば作れます。

⒈ 消毒する:ビーカー・マドラーなどの器具と手を、消毒  用アルコールでしっかり消毒します。

湯煎の準備をする:大きいビーカーに蜜蝋3g+マカデミアナッツオイル20ml、小さいビーカーに精製水5ml+プロパンジオール約1ml(※下の注意点参照)。

湯煎で溶かす:両方を同時に湯煎にかけます。蜜蝋は60〜65℃で溶けます。3〜5分ほどが目安。ホットプレートがなければ、鍋やフライパンにお湯をはって湯煎にしてもOKです。

乳化させる:溶けたら湯煎から外し、油の入った大きいビーカーに、水を少しずつ加えながら手を休めずに混ぜます。5分ほどが目安。ダイソーのハンドミキサーを使うとぐっとラクになります。

乳化を見きわめる:人肌くらいまで冷めて、表面にとろみと「線」が残るようになれば乳化完成。熱いうちはサラサラしていますが、冷めるとクリーム状になります。

残りの材料を加える:プロパンジオール → 精油 → 酸化チタン・酸化亜鉛(各2g)の順に、その都度よく混ぜながら加えます。粉が散らないよう、トレーや紙を敷いて作業を。

容器に詰めて完成:ゴムベラを使うときれいに移せます。作りたてはやわらかめですが、一晩おくと伸びのよいクリームになります。

注意点

  • 【大切】動画では手順6のところで入れているプロパンジオールは手順2の段階で精製水と一緒に入れてください。 水溶性のため、最後に加えると分離の原因になることがあります。水と油が同じくらいの温度のほうが分離しにくいので、はじめの湯煎から一緒にしておくと失敗しにくいです。
  • 保存は1ヶ月程度を目安に。 長く置かず、毎日こまめに使い切るのがおすすめです。
  • 顔の下地としても使えます。ベタつきが気になるときは、塗ったあとティッシュオフしてからファンデーションを。
  • 今回の精油はお子さまも使えるタイプなので、家族みんなで使えます。



もっと知りたい方へ|SPFの数値の考え方

ここからは、ちょっとだけ専門的なお話。「数字が大きいほど安心」と思いがちなSPFですが、実はそう単純でもなくて、少しわかりにくいところでもあります。気になる方だけ、お付き合いくださいね。

まず、SPFは「時間」ではなく「倍率」で定められた数値です。日焼け止めを塗らないときと比べて、日やけをどれだけ遅らせられるかを表していて、10倍遅らせられればSPF10、というように表示されます(出典:化粧品公正取引協議会)。

よく「SPF1=約20分」と言われますが、これは公的に決まった数値ではなく、「素肌だと20分ほどで赤くなる人」を仮定したときの目安です。肌質や日差しの強さで大きく変わるので、あくまで参考程度に考えてくださいね。

もうひとつ知っておきたいのが、SPFの数値が「かなりたっぷり塗った状態」で測定されているということ。国際規格ISO 24444をもとにした測定法では、肌1cm²あたり2mgという量を塗って数値を出しています(出典:日本化粧品工業会)。これは私たちが普段塗る量よりずっと多め。ある研究では、日本人女性の顔に必要な適量が約1.12gなのに対し、実際の使用量は平均0.56gと、半分ほどだったと報告されています(出典:日本香粧品学会誌)。

つまり、表示されている数値どおりの効果が出るとは限らない、ということ。だからこそ、数字だけで選ぶより、生活シーンに合わせて選ぶのがおすすめです。

  • 通勤やお昼休みの外出程度 → SPF15〜20で十分
  • ほとんど家の中で過ごす → SPF10程度でもOK(窓からの紫外線対策に)
  • 海・プール・山など長時間のレジャー → SPF50を選ぶ

そのうえで、帽子や日傘も組み合わせて防いでいくと安心です。

参考サイト

日本香粧品学会誌 44巻2号(塗布量に関する研究) https://www.jstage.jst.go.jp/browse/koshohin/44/2/_contents/-char/ja

日本化粧品工業会「SPF測定法基準」 https://www.jcia.org/user/business/guideline/spf

化粧品公正取引協議会「コスメチックQ&A(紫外線防止用化粧品)」 https://www.cftc.jp/cosmeqa/04ultraviolet.html